海外移住計画

GDPの議論から、生活の質の議論に。

よりよく暮らす働くこと、働くことのグローバル化、グローバル企業ってなんだろう

グローバル企業ってよくいわれるけれど、グローバル企業っていったい何なのだろう。海外展開している企業だろうか。国外の市場に対応できる企業だろうか。多国籍企業を指しているのだろうか。

 

グローバル化といえば、経済だけでなく、文化そのものも昔からグローバルであったから今更何がグローバル化なのだろうか?と思うところがある一方で、グローバル企業という言葉が出てくるなら、労働基準のグローバル化も視野に入れていないのはおかしいと思っていて、ILOの国際労働基準を守って企業活動できる企業をグローバル企業と呼ぶのが相応しいと思っている。

 

なぜなら、日本はそもそもルールを守らないし、何のルールを守らないかといえば労働時間でヨーロッパの多くの労働者は日本のように長時間働かないことを前提に企業間競争をしているし、健康に配慮する働き方を管理するのは人事労務管理の分野のひとつで管理者がやらなければならないことであるのに日本ではそもそも管理しようとしない、それらは明らかに国際労働基準を守っていないし、そういった国際社会のルールを無視した競争をしようとしている企業をグローバル企業と呼ぶのはおかしい、つまりとてもヘンであるから。

 

そもそも、国際労働基準は国際的な政労使の合意で出来上がっていて、最低限の基準なのにも関わらず、日本の企業は国際基準の最低限も守れていない。

 

何がグローバル化なのか、何がグローバル企業なのか?

 

労働者が健康を害し、超働いている人の場合には命を削ってまでお金を稼ぐやり方で価格競争力をつけた企業、つまりルール無視の企業がルールを守っている企業を競争に巻き込み、グローバル規模で労働条件を悪化させるだろう。しかも、消費者が安いサービスを欲しがるならなおさらだ。「何でこんなに安いの?」という疑問を私たちは持たなくなってしまっている。安くて当たり前と思っている。労働環境が悪いのは皆承知でルール無視の競争して価格競争してるのだから、安くて当たり前だということを知っている。消費者は、安いからサービス受けにいこうとか買いに行こうとか、価格の背後にある労働環境を気にしなくなってきているというか、麻痺しているというか、ルール無視を後押ししている。

 

これはやばいんだ。ほんとに。なぜなら労働者が健康を害したり、長時間労働してプライベートの時間少なくなったり、そういうことに配慮しない人事労務管理を設計している、というかそもそも設計していないから企業の体を成さない企業があって、そういう企業を経営している人がいて、そこで働く人がいて、そうやってめちゃくちゃなやり方で働いて生んだサービスに対して、もっと品質よくとか、安くとか、そういうことを求める消費者がいて、それらがお互いを支え合っている。だから、やばすぎるんだ。将来のことを考えれば、もっとやばい。

 

小学生に英語の教科化が云々いわれていて、国際競争力がどーたらこーたらいわれていることにすごく危機感がある。国際競争力?心配するところ間違ってね?と思わないのだろうか。たとえば、英語の教科化が成功して、これからの世代の英語のレベルが上がって普通に英語をペラペラとしゃべれるような世代が出てきたとして、英語をつかって海外の情報を得ながら彼らは日本の現状をみて、健康を害するような環境、プライベートな時間が持てないような日本で働きたいだろうか。海外のほうが長期的な視点で健康的に楽しんで暮らせると思うのではないか。そうだとすれば、国際競争力をつけるために英語の教科化を成功させたとしても、彼らは生活の質を考慮して労働条件が比較的よい海外に行って働くことになるだろう。グローバルな労働市場を経由して働くとはそういうことである。

 

国際競争力をつけるとかいいながら、外国語の文脈でしか語れないならもっとやばい。日本の女性の労働力を使えなかったり、仕事をしていても辞めなければ育児できなかったり、辞めたとしても復帰するのにパートタイムだったりと、こんな現状で国際社会でマジで競争していくつもりなの?と危機感もっているのだろうか。そもそも、子供育てるのは両親がやるという話で、どちらか一方が負担を過剰にしている現状はおかしい。共働きが増えている現状認識がなく、女性はシャドウワーク、男性は目に見える賃労働をするというステレオタイプは超やばくて、そういう人がたくさんいる企業の制度は現状に対応できていない、そうするともっとやばい。

 

プライベートな時間を持てたり、健康を害さずに働けたり、人間らしく働けるならサービスが高くなったっていいじゃん、死ぬより、辛く生きるより、というか人間らしく働けなくなるよりは今より高いお金出して、消費者として過剰な要求もやめて、お客様は神様じゃないんだから、くらいに思えるようになって、企業はルール守って競争しようよ。と思えるようになること、それを発言することが重要なんだ。

 

労働政策とか調べて政治に興味もったり、労働組合に興味もったり、ハードルは超低くて2人いれば作れるんだからサクっと友達と労組作っちゃったり、とにかく現状をベターにしようと主体的にならないといけないところに私たちはいるのだと思う。労働に関して、ベターになる目安、それが国際労働基準。最低限のことやれるようになろうよ、グローバルな世界でよりよく暮らしていくのって、そういう最低限のルールを守るのが前提でしょう。

 

日本の抱える社会問題のやばさを目の前に、社会に少しでも悪あがきしてみたいと思った23歳、悩みながら書いた記事です。